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2007年4月28日 (土)

2007年4月16日「能への扉」

能への扉P4160004_5

2007年4月16日月曜日午前10時

巨大な雨雲が関東地方にゆっくりと近づいて来ていた春の朝、

昼過ぎから雨という予報を頼りに、

鵜澤久先生によるchick第13回ワークショップ「能への扉」は開催されました。     

今日の舞台は、近代日本の礎を築いた吉田松陰を奉る松陰神社の神楽殿です。

折りしも境内には八重桜が満開に咲き誇り、

花曇のなか美しい舞台を包み込んでいました。

鵜沢先生は閉ざされた世界である能を、
ワークショップを通して一般のかたはもちろんのこと、
海外、女性、子供へと開かれたものにすることにご尽力されてきたかたで、

今回は能に触れる機会の少ない私たちに、

豊富な経験をもつ先生から能への扉を開いていただくワークショップです。

ワークショップ開始直前先生が、

プログラム最後の予定であった「雲雀山」の舞いを最初にすると告げられ、

ワークショップがスタートしました。

先生が舞台に現れ、静まり返った境内に謡いが低く響き渡ると、P4160023_1

たちまちその場の空気が張り詰め、

神聖で厳かな舞いに参加者は引き込まれじっと見入っていました。

舞が終わるや否や雨がハラハラと降り始め、

鵜沢先生が参加者の方々を舞台上へと招き入れて下さり、

息遣いが感じられるほど近い距離での、ワークショップになりました。

まず能の歴史や背景についてのお話。

鵜沢先生が世阿弥や平家や秀吉のことを能の歴史のなかで語るとき、

それがデータとしての歴史上の人物ではなく、

かつて実在していた人として息を吹き込まれ立ち上ってくるようです。

そして、なかなかふれる機会のない面や装束を、

間近で由来を伺いながら拝見させていただきました。

そして、能の表現について、

長い年月をかけて積み重ねられた決まりごとや型があり、

それを苦心して得ることで自由になれる。

そして上澄みのような僅かな隙間にある自由、

そこにとてつもない創造性、可能性が潜んでいる。

というお話には、自由や個性をなんのガイドも無しに強いられる不自由さや、

没個性の矛盾を日ごろ感じている私たちに、

ある一つの明確なビジョンを与えてくれた気がしました。

参加者が先生と一緒に謡う謡の体験では、

先生が先ず発した美しく低く響く謡の声に、

参加者から一瞬驚きの声が漏れました。

謡の発声法は他歌唱法の発声と異なり、

声で回りの気を揺るがすことであるとの説明に納得がいきました。

また、舞の参加者体験では、すり足や構え、舞いを体験。P4160029_1

日ごろ意識をしていない身体を伸ばし、意識し表現しました。

一歩前に踏み出し扇を持つ手を広げる演技指導のなかで、

自分が鉄の円柱に入っているのを想像し、そこに僅かな裂け目があり、

それを開いて出てくるようにとのアドヴァイスで、

参加者の演技が生き生きとしてきました。

能では大きなエネルギーを凝縮して押さえられた演技を、

自らの想像力を総動員し観るものなのだという奥深さを感じました。

春の雨で冷え切った舞台の上は、

終了時間を過ぎても質疑応答が続くほどの熱気に包まれ、

惜しまれながら終了を迎えました。

強まった雨脚のなかを散る八重桜を背景に、

現存する世界最古の芸能である能の伝承者として美しい舞台に立つ鵜澤先生を通して、

脈々と続く日本の歴史を生き続けてきた能の息遣いを、

参加者のみなさまに感じていただけたのではないかとおもいました。

               

  *

お母さんのための能入門ワークショップ

ファシリテーター・鵜澤 久(うざわ ひさ)氏

春風に包まれて日本文化を体感しませんか。

近代日本の礎を築いた吉田松陰を奉る松陰神社で、

普段なかなか日本伝統文化に触れる機会が少ないお母様方に、

日本にとどまらず世界に活躍の場を広げる女性能楽師鵜沢久氏より、

能の魅力を初心者にも分かりやすく、

ワークショップ(体験型講座)形式で紹介していただきます。

難しいと思われている能ですが、日本のみならず、

欧米でも豊富なワークショップご経験をお持ちの鵜沢先生ならではの、

魅力あふれるワークショップでその幽玄の世界への扉を開いてみましょう。

一般の方の御参加も可能です。

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日時2007年4月16日() 予備日18日(水) 

場所:松陰神社 神楽殿 (世田谷区松陰神社前) 

時間: 10時~11時30分 当日9時45分受付開始

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ファシリテーター:鵜沢 久氏(うざわ ひさ)

 観世流シテ方能楽師 重要無形文化財総合指定能楽保持者
東京芸術大学邦楽科、同大学院修了。

観世流職分故鵜沢雅、故観世寿夫、故八世観世銕之丞に師事。

数少ない女性の能楽師として活躍。欧米各国で能を上演し、

現在、銕仙会を中心に活動。

1990年より川崎市文化財団主催の「こども能楽鑑賞教室」を指導。

2005年川崎市文化賞受賞。 「柏珠会」「鵜沢久の会」主宰。

洗足学園音楽大学非常勤講師。聖心女子大学公認愛好会「能楽研究会」指導。

協力 松陰神社     http://www.shoinjinja.org/jp/   

企画・主催 chickこどもの創造のくに chickingdom@yahoo.co.jp                     

chick children’s creative kingdom presents

チックは子どもの創造的な環境作りを目的とした、非営利団体です。

この事業は公益信託世田谷まちづくりファンドの助成事業です。

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鵜澤 久 氏 次回 演能予定             

銕仙会定期公演

場所: 宝生能楽堂 東京都文京区本郷1-5-9  

日時:2007年5月11日() 

時間: 18時開演

能    雲雀山 ひばりやま   シテ 鵜沢 久

能    鵜飼 うかい     シテ 浅見真州

お問い合わせ:銕仙会 03-3401-2285

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